「子どもが長い間働いていない」
「一般企業で働くことが難しそう」
「親が元気なうちは支えられるけれど、将来が心配」
このような悩みを抱えているご家族は少なくありません。
働くことが難しい状態が続くと、親としては「早く仕事を見つけてほしい」と焦ってしまうこともあるでしょう。しかし、いきなり一般就労を目指すことだけが答えではありません。
本人の体調や障害特性に合わせて、少しずつ生活リズムや働く自信を整えていく場所として、就労継続支援B型があります。
この記事では、親が知っておきたい就労継続支援B型の仕組みや利用条件、工賃、事業所選びのポイントについて分かりやすく解説します。
就労継続支援B型とは?
就労継続支援B型は、障害や病気などにより一般企業で働くことが難しい方に、働く機会や日中活動の場を提供する障害福祉サービスです。
一般企業のような雇用契約は結ばず、本人の体調や能力に合わせて作業に取り組みます。そのため、毎日決まった時間に出勤することが難しい方でも、比較的利用しやすいことが特徴です。
事業所によって異なりますが、次のような作業があります。
- 袋詰めやシール貼りなどの軽作業
- 部品の組み立て
- 清掃作業
- 農作業
- パソコン作業
- データ入力
- ECサイトへの商品登録
- 古着の検品や販売
- ミシンや手芸などのハンドメイド作業
仕事だけでなく、生活リズムを整えること、人との関わりに慣れること、自分に合った働き方を見つけることも大切な目的です。
就労継続支援B型を利用できる人
就労継続支援B型は、原則として一般企業などに雇用されることが難しく、就労の機会や生産活動の支援が必要と判断された方が対象です。
例として、次のような方が利用しています。
- 精神障害、知的障害、身体障害、発達障害がある方
- 難病のある方
- 一般就労を経験したものの、体調などにより継続できなかった方
- 就労移行支援を利用したが、一般就労につながらなかった方
- 長期間の引きこもりなどを経て、段階的に社会参加を始めたい方
- 年齢や体力面から一般就労が難しい方
障害者手帳がなくても、医師の診断書や意見書などによって利用できる場合があります。ただし、具体的な判断は自治体によって異なるため、市区町村の障害福祉担当窓口や相談支援事業所へ確認しましょう。
毎日通えなくても利用できる?
就労継続支援B型は、必ずしも最初から週5日通う必要はありません。
本人の体調や事業所の方針によっては、週1日や短時間から利用を始められることがあります。
例えば、次のような始め方も考えられます。
- 週1日、午前中だけ通う
- 週2日から始めて徐々に増やす
- 人の少ない時間帯を選ぶ
- 体調が悪い日は無理をしない
- 慣れるまでは見学や体験利用を重ねる
大切なのは、通所日数の多さだけを目標にしないことです。週1日でも外出できた、人に挨拶できた、作業を30分続けられたという経験は、本人にとって大きな一歩です。
B型事業所で受け取る工賃とは?
就労継続支援B型では、利用者と事業所の間に雇用契約がありません。そのため、作業の対価として受け取るお金は「給与」ではなく「工賃」と呼ばれます。
工賃額は、事業所の売上や作業内容、利用日数、作業時間などによって異なります。
ここで親が注意したいのは、B型事業所を「生活できる収入を得る場所」とだけ考えないことです。工賃は重要ですが、B型事業所には次のような役割もあります。
- 自宅以外に安心できる居場所を持つ
- 生活リズムを整える
- 人と関わる練習をする
- 得意な作業を見つける
- 成功体験を積む
- 将来の就労に向けて準備する
工賃の金額だけでは、支援の価値をすべて判断できません。見学時には工賃の仕組みと併せて、本人が安心して通い続けられる環境かを確認しましょう。
利用料金はいくらかかる?
障害福祉サービスの利用者負担は、原則としてサービス費用の1割ですが、世帯所得に応じて月額負担上限額が設定されています。
生活保護受給世帯や市町村民税非課税世帯では、自己負担が0円になる場合があります。なお、成人した本人が利用する場合、所得区分の判定では原則として本人と配偶者が同一世帯として扱われます。
ただし、次の費用は別途必要になることがあります。
- 昼食代
- 送迎費
- 作業用品代
- 行事や外出活動の実費
料金体系は事業所によって異なります。契約前に、毎月どのくらいの費用がかかるのか確認しておくと安心です。
親が事業所を決めてしまってもよい?
親が情報を集めたり、見学に同行したりすることは大切です。しかし、最終的には本人の気持ちを尊重する必要があります。
本人が不安を感じているときに、
「いつまで家にいるの?」
「とにかく毎日通いなさい」
「工賃が高い事業所にしなさい」
と急かしてしまうと、本人がさらに自信を失うことがあります。
まずは「働くかどうか」を決めるのではなく、「どのような場所なら安心できそうか」を一緒に考えてみましょう。
見学したからといって、必ず利用しなければならないわけではありません。複数の事業所を見学し、できれば体験利用をしてから決めることをおすすめします。
親が確認したいB型事業所の選び方
就労継続支援B型は、事業所によって作業内容や雰囲気、支援方針が大きく異なります。
見学時には、次のポイントを確認してみましょう。
本人に合う作業があるか
軽作業が得意な方もいれば、パソコンやハンドメイドに興味がある方もいます。苦手な作業を一方的に求められず、本人の希望や特性に合わせて選べることが重要です。
体調不良時に相談できるか
精神障害や発達障害のある方は、環境の変化や人間関係によって体調が不安定になることがあります。休憩や作業変更について相談できるか確認しましょう。
職員と利用者の雰囲気
設備が整っていても、本人が「ここは落ち着かない」と感じれば継続は難しくなります。職員の話し方や利用者の表情、室内の音や明るさなども大切な判断材料です。
通所方法や送迎の有無
継続して通うためには、交通手段も重要です。自宅付近まで送迎してもらえるか、公共交通機関で無理なく通えるか確認してください。
家族との連携方法
本人の同意を前提として、家庭での様子や体調について相談できる事業所であれば、ご家族の安心にもつながります。ただし、本人が成人している場合は、親だけで情報を共有し過ぎない配慮も必要です。
B型事業所を利用するまでの流れ
一般的な利用開始までの流れは次のとおりです。
- 市区町村の障害福祉窓口や相談支援事業所へ相談する
- 希望するB型事業所を探す
- 見学や体験利用を行う
- 障害福祉サービス受給者証を申請する
- 支給決定後、事業所と利用契約を結ぶ
- 利用を開始する
自治体や本人の状況によって手続きが異なることがあります。何から始めればよいか分からない場合は、気になる事業所へ直接相談しても構いません。
親ができる一番の支援は「待つこと」
親としては、子どもの将来を考えるほど焦りや不安が大きくなります。しかし、本人が動き出すためには、安心して立ち止まれる時間も必要です。
毎日通えなくても構いません。
作業ができない日があっても構いません。
一度通い始めてから休むことがあっても構いません。
「今日は行けた」
「職員と話せた」
「やってみたい作業が見つかった」
その小さな変化を認めることが、次の一歩につながります。
就労継続支援B型は、無理に一般就労へ押し出す場所ではありません。本人が自分のペースを取り戻し、自分らしい生活や働き方を探していく場所です。
まとめ|本人に合う場所を家族で探してみよう
就労継続支援B型は、一般就労が難しい方に働く機会と安心できる居場所を提供する福祉サービスです。
親が知っておきたいポイントは、次のとおりです。
- 雇用契約を結ばず、作業の対価として工賃を受け取る
- 週1日や短時間から利用できる場合がある
- 障害者手帳がなくても利用できる可能性がある
- 利用には障害福祉サービス受給者証が必要
- 工賃だけでなく、支援内容や通いやすさも重要
- 親の希望だけで決めず、本人の気持ちを尊重する
千葉県野田市の就労継続支援B型事業所「毎日が夏休み。」では、パソコン作業、EC物販、内職、ミシン、古着の検品など、一人ひとりに合わせた作業をご用意しています。
「まだ毎日通える自信がない」
「何ができるのか分からない」
「まずは家族だけで相談したい」
そのような段階でも大丈夫です。野田市・流山市・柏市周辺でB型事業所をお探しの方は、まずは見学や相談からお気軽にお問い合わせください。

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