「子どもに就労継続支援B型を利用させると、親の負担が増えるのではないか」
このような不安を感じているご家族は少なくありません。
利用料はいくらかかるのか。毎日の送迎が必要なのか。仕事をしても十分な収入にならないのではないか。そして、親が支えられなくなった後はどうなるのか。
結論からお伝えすると、就労継続支援B型の利用が必ず親の負担になるわけではありません。むしろ、本人が安心して通える場所を持ち、生活リズムや人とのつながりが生まれることで、家族の精神的・時間的な負担が軽くなる可能性があります。
大切なのは、利用する本人だけでなく、家族も無理なく続けられる事業所を選ぶことです。
就労継続支援B型とは?
就労継続支援B型は、障害や病気などの理由により、一般企業で働くことや雇用契約を結んで働くことが難しい方に、働く機会や生産活動の場を提供する障害福祉サービスです。
B型事業所では雇用契約を結ばないため、一般就労のように決められた時間を必ず働かなければならないわけではありません。本人の体調や障害特性に合わせて、通所日数や作業時間を調整しやすいことが特徴です。
厚生労働省も、B型を「一般企業での雇用や、雇用契約に基づく就労が困難な方に、生産活動などの機会を提供するサービス」と位置づけています。厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」
親の負担になりやすいと感じる4つの場面
1.利用料や昼食代などの金銭的負担
ご家族が最初に心配するのは、やはり費用ではないでしょうか。
障害福祉サービスの利用者負担は原則としてサービス費用の1割ですが、実際には所得に応じた月額負担上限が設定されています。そのため、利用した日数に比例して負担が無制限に増える仕組みではありません。
生活保護世帯や市町村民税非課税世帯では、利用者負担が0円になる場合があります。また、成人の障害福祉サービスでは、原則として本人と配偶者の所得を基準に判定されるため、成人した本人が親と同居していても、必ず親の収入が利用料の判定に含まれるわけではありません。
ただし、昼食代、交通費、作業に必要な材料費などは、事業所によって別途必要になることがあります。見学時には次の点を確認しましょう。
- 毎月の利用料
- 昼食代の有無
- 送迎費用の有無
- 作業に必要な実費
- 行事や外出時の費用
受給者証や負担上限額については、市区町村の障害福祉担当窓口や相談支援専門員への確認が必要です。
2.毎日の送迎による負担
本人が一人で通うことが難しい場合、家族が毎日送迎することで負担が大きくなることがあります。
特に、保護者が仕事をしている、きょうだいの世話がある、家族自身が高齢であるといった状況では、朝夕の送迎を長期間続けることは簡単ではありません。
そのため、事業所を選ぶ際は送迎サービスの有無だけでなく、次の点まで確認することが大切です。
- 自宅付近まで送迎してもらえるか
- 送迎可能な地域
- 朝と帰りの時間
- 車いすなどへの対応
- 体調不良時の送迎対応
送迎サービスを利用できれば、家族の時間的な負担を大きく減らせる可能性があります。
3.通所の準備や本人への声かけ
「朝になっても起きられない」
「行くと言っていたのに、直前になると不安になる」
「休ませてよいのか、行かせた方がよいのか分からない」
このような状況が続くと、ご家族は疲れてしまいます。
しかし、B型事業所は、最初から毎日通える人だけが利用する場所ではありません。週に数日、短い時間から始め、本人の状態に合わせて少しずつ通所を安定させる方法もあります。
重要なのは、通えないことを家族だけの責任にしないことです。
本人への声かけや欠席時の対応について、事業所と家族があらかじめ方針を共有しておくと負担を減らせます。本人が休みたいと話したときに、家族が説得し続けるのではなく、事業所の職員から連絡してもらう方法も考えられます。
4.工賃や将来への不安
B型事業所で作業をすると、成果に応じて工賃が支払われます。ただし、雇用契約に基づく給与ではないため、工賃だけで生活費のすべてを賄うことは難しい場合があります。
そのため、ご家族からは次のような声が聞かれます。
「いつまで親が生活費を支えるのか」
「このままB型に通い続けて大丈夫なのか」
「親がいなくなった後の生活はどうなるのか」
こうした不安は、B型事業所だけで解決できるものではありません。相談支援専門員、市区町村、グループホーム、訪問看護、医療機関などと連携し、本人の暮らし全体を考えることが必要です。
障害年金や各種手当、住まい、金銭管理、成年後見制度なども含め、早い段階から相談しておくことが、将来の安心につながります。
B型事業所の利用で家族の負担が軽くなることもある
B型事業所は、家族の負担を増やすだけの場所ではありません。
本人が日中安心して過ごせる場所を持つことで、家族にも自分の時間が生まれます。家にいる時間が長く、家族以外との関わりが少なかった方が通所を始めることで、生活に変化が生まれることもあります。
例えば、次のような変化が期待できます。
- 朝起きるきっかけができる
- 昼夜逆転の改善につながる
- 家族以外に相談できる人ができる
- 得意な作業や役割が見つかる
- 人との距離の取り方を練習できる
- 自分で工賃を得る経験ができる
- 家族が仕事や休息の時間を確保できる
本人が家庭以外の居場所を持つことは、本人のためだけではありません。家族がお互いに適度な距離を保つためにも重要です。
ずっと一緒にいることだけが支援ではありません。本人を安心して任せられる場所を増やすことも、大切な支援の一つです。
親の負担を減らす事業所選びのポイント
家族の負担を減らすためには、本人に合っていることに加え、家族との連携を大切にしてくれる事業所を選びましょう。
見学や体験の際には、次の項目を確認してみてください。
本人のペースに合わせてもらえるか
週5日の通所を最初から求めるのではなく、短時間や少ない日数から相談できる事業所であれば、本人にも家族にも無理がありません。
作業の選択肢があるか
一つの作業が苦手でも、別の作業なら力を発揮できることがあります。パソコン作業、古着の検品、内職、ミシン、ハンドメイドなど、複数の作業がある事業所は、本人に合った仕事を探しやすくなります。
家族からの相談にも対応しているか
本人の支援だけでなく、家族の悩みにも耳を傾けてくれるかを確認しましょう。
ただし、本人の意思やプライバシーを尊重することも大切です。家族と事業所が本人の知らないところですべてを決めるのではなく、本人を中心に支援を考えてくれる事業所が望ましいでしょう。
関係機関と連携しているか
通所、生活、医療、お金、住まいの問題はつながっています。事業所だけで抱え込まず、相談支援専門員や医療機関、グループホームなどと連携してくれるかも重要なポイントです。
家族だけで抱え込まなくて大丈夫です
就労継続支援B型を利用したからといって、親の負担が完全になくなるわけではありません。利用料や送迎、日々の声かけなど、新たに必要になることもあります。
一方で、本人に居場所や役割が生まれ、生活リズムが整い、家族以外とのつながりを持てることで、これまで家族だけが背負っていた負担が分散される可能性があります。
大切なのは、「親がどこまで頑張れるか」ではなく、「本人と家族が無理なく生活を続けるには、どのような支援が必要か」を考えることです。
まとめ
就労継続支援B型は、親の負担になる場合もありますが、事業所の選び方や支援体制によっては、家族の負担を軽くする大切な場所になります。
本人に合った作業があるか、無理のない日数から利用できるか、送迎が利用できるか、家族からの相談にも対応しているかを確認しましょう。
千葉県野田市の就労継続支援B型事業所「毎日が夏休み。」では、パソコン作業、EC物販、内職、ミシン、古着検品など、さまざまな作業を用意しています。
「毎日通えるか分からない」「働くことに不安がある」「家族だけで支えることに疲れてきた」という段階でも構いません。
まずは見学や相談を通して、本人とご家族の負担にならない通い方を一緒に考えていきましょう。

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