「発達障害があるけれど、どんな仕事なら続けられるだろう」
「一般就労ではうまくいかなかった」
「B型事業所を利用してみたいけれど、自分に合うところが分からない」
このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
発達障害のある方にとって、仕事そのものができないのではなく、仕事内容や職場環境が自分の特性に合っていないことで働きづらさを感じているケースがあります。
そのため、就労継続支援B型事業所を選ぶときも「家から近い」「工賃が高い」といった条件だけではなく、自分の得意・不得意に合った環境かどうかを見ることが大切です。
今回は、就労継続支援B型事業所「毎日が夏休み。」を運営する立場から、発達障害の方に向いているB型事業所の特徴について解説します。
発達障害とは?
発達障害には、ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)などがあり、その特性や困りごとは一人ひとり異なります。
例えば、
- 人とのコミュニケーションに疲れやすい
- 急な予定変更が苦手
- 曖昧な指示を理解しにくい
- 集中が長く続かない
- 忘れ物やミスが多くなってしまう
- 特定の作業には非常に集中できる
- 音や光、人の声などに敏感
- 複数の作業を同時に進めるのが苦手
といった特徴が見られることがあります。
ただし、「発達障害だから○○が苦手」と一括りにはできません。
パソコン作業が得意な方もいれば、手先を使った細かな作業が得意な方もいます。人と話すことが好きな方もいれば、一人で集中する方が力を発揮できる方もいます。
だからこそ大切なのが、障害名だけで判断するのではなく、その人自身の特性を見ることです。
発達障害の方にB型事業所という選択肢
就労継続支援B型は、一般企業などで雇用契約を結んで働くことが現時点では難しい方に対して、働く機会や生産活動などを提供する障害福祉サービスです。
B型事業所では原則として雇用契約を結ばないため、一般就労とは異なる形で自分の状態に合わせながら活動できます。
例えば、
「まずは週2日から通ってみる」
「午前中を中心に利用する」
「得意な作業から始める」
「生活リズムを整えることを最初の目標にする」
など、その人に合わせた目標を設定できることがあります。
一般就労で「周囲と同じように働かなければ」と無理をしてしまった方にとって、B型事業所は自分に合った働き方をもう一度探していく場所にもなります。
発達障害の方に向いているB型事業所の特徴7つ
1.作業内容を選べる
発達障害の方の場合、得意なことと苦手なことの差が大きいケースがあります。
そのため、一種類の仕事しかない事業所よりも、
- パソコン作業
- データ入力
- ECサイト関連業務
- 軽作業
- 袋詰め
- ハンドメイド
- ミシン作業
など、複数の作業が用意されている事業所の方が、自分の強みを見つけやすくなります。
苦手な仕事をひたすら克服することだけが就労支援ではありません。
得意なことを見つけ、それを仕事につなげていくことも大切な支援だと私たちは考えています。
2.指示が分かりやすい
「適当にやっておいて」
「いい感じに仕上げて」
このような曖昧な指示が苦手な方もいます。
その場合、
「この商品を10個袋に入れる」
「この順番で入力する」
「終わったらスタッフに確認してもらう」
など、作業内容や手順が具体的になっているだけで働きやすさが大きく変わることがあります。
マニュアル、チェックリスト、写真などを活用しているB型事業所もおすすめです。
3.静かに集中できる環境がある
発達障害のある方の中には、周囲の会話や物音、視線などが気になり、集中しづらくなる方もいます。
本人にやる気がないわけではありません。
環境から受け取る情報が多すぎることで、疲れてしまう場合があります。
そのため、見学するときには、
「作業スペースは落ち着いているか」
「一人で集中しやすい場所があるか」
「休憩したくなったときに休めるか」
なども確認してみましょう。
4.本人のペースを尊重してくれる
最初から週5日通うことが全員にとって正解とは限りません。
週1~2日からスタートした方が安定する人もいれば、短時間利用から徐々に時間を延ばした方がいい人もいます。
重要なのは、他の利用者と比較することではありません。
昨日の自分より少しできることが増えた。
それで十分です。
自分のペースで通所日数や作業時間を増やしていける事業所は、発達障害の方にとって利用しやすい環境の一つでしょう。
5.失敗を責めない
仕事をしていれば、誰でも失敗します。
入力を間違えることもあります。
作業手順を忘れることもあります。
遅刻してしまう日もあるでしょう。
大切なのは、失敗したことを責めるのではなく、
「なぜ失敗したのか」
「どうしたら次はやりやすくなるのか」
を一緒に考えることです。
例えば忘れやすいならチェックリストを作る。
作業手順が分からなくなるなら写真付きマニュアルを用意する。
集中が続かないなら作業時間を区切る。
本人だけを変えようとするのではなく、環境や方法を変えてみる。
こうした視点を持っているB型事業所を選ぶことが重要です。
6.パソコン作業など得意を活かせる
発達障害のある方の中には、パソコンや特定分野への集中力を強みにできる方もいます。
例えば、
- データ入力
- 商品登録
- 画像加工
- ネットショップ運営補助
- 商品リサーチ
- 文書作成
などの仕事です。
もちろん全員にパソコン作業が向いているわけではありません。
しかし「軽作業は苦手だったけれど、パソコンなら何時間でも集中できる」という方もいます。
B型事業所を探す際には、自分の得意なことを仕事にできるかという視点を持ってみてください。
7.将来について一緒に考えてくれる
B型事業所を利用する目的は人それぞれです。
長く安心してB型事業所を利用したい人もいます。
生活リズムを整えたい人もいます。
もっと仕事ができるようになりたい人もいます。
将来的に一般就労や障害者雇用を目指したい人もいるでしょう。
大切なのは、事業所側が一つのゴールを押しつけないことです。
「あなたはこれからどうしたいですか?」
そこから支援を考えてくれる事業所を選んでほしいと思います。
発達障害の方がB型事業所を選ぶときのチェックポイント
ホームページだけで事業所を決めるのではなく、できれば実際に見学・体験してみることをおすすめします。
見学するときには、
- どんな仕事があるか
- 自分に合う仕事を選べるか
- 作業スペースは落ち着いているか
- スタッフに質問しやすいか
- 休憩しやすいか
- 通所日数について相談できるか
- 利用者同士の距離感は自分に合っているか
- 将来の希望について相談できるか
などを確認してみてください。
そして意外と大切なのが、「ここなら明日も来られそう」と感じられるかどうかです。
設備や工賃など数字で比較できる部分だけでは分からないことがあります。
事業所の雰囲気やスタッフとの相性も、長く利用するうえでは重要です。
「苦手を直す」だけが就労支援ではない
発達障害のある方は、これまで学校や職場などで、
「もっと普通にやって」
「なんでこんな簡単なことができないの?」
と言われた経験があるかもしれません。
しかし、苦手なことばかりに目を向けていると、自信を失ってしまいます。
私たちが大切だと考えているのは、
「できないことを普通にする」だけではなく、「できることをもっと伸ばす」という考え方です。
例えば人との会話は苦手でも、パソコン入力は速い。
複数の仕事を同時にするのは苦手でも、一つの作業なら非常に丁寧。
急な変更には弱いけれど、決められた作業を毎日正確に続けられる。
それは立派な強みです。
仕事では、その強みが価値になることがあります。
「毎日が夏休み。」が大切にしていること
就労継続支援B型事業所「毎日が夏休み。」では、ただ作業をして一日を終える場所ではなく、利用する方が自分の得意なことや可能性を見つけられる場所を目指しています。
パソコン作業やEC物販に関する作業、軽作業、ハンドメイドなど、さまざまな仕事に挑戦できる環境づくりを進めています。
最初から仕事を頑張れなくても構いません。
「外に出てみる」
「決まった時間に来てみる」
「30分だけ作業してみる」
それも立派な一歩です。
できることが増えてきたら、次の挑戦を一緒に考えていけばいい。
私たちはそんな就労支援を大切にしています。
まとめ|発達障害の方に合うB型事業所は「自分らしく働ける場所」
発達障害の方に向いているB型事業所は、単に「発達障害に対応しています」と書かれている事業所ではありません。
重要なのは、
その人の特性を理解し、得意なことを活かしながら、自分のペースで働ける環境があることです。
できないことを数えるより、できることを探す。
苦手なことを無理に続けるより、自分に合った方法を見つける。
一般的な働き方に自分を無理やり合わせるのではなく、自分に合う働き方を探していく。
それがB型事業所を利用する大きな意味の一つではないでしょうか。
「働くことに自信がない」
「発達障害があって仕事が長続きしない」
「自分に何が向いているのか分からない」
そんな方こそ、一人で答えを出す必要はありません。
まずは気になるB型事業所を見学してみてください。
その一歩から、自分に合った働き方が見つかるかもしれません。

コメント