「障害のある家族に働いてほしいけれど、何をすればよいのか分からない」
「仕事の話をすると、本人が嫌がったり落ち込んだりしてしまう」
「このまま家にいる生活が続いても大丈夫なのだろうか」
このような悩みを抱えているご家族は少なくありません。
家族としては、本人の将来を心配するからこそ「早く働いてほしい」「自立してほしい」と考えるものです。しかし、その思いが強くなりすぎると、本人にとって大きなプレッシャーになることがあります。
障害者就労支援で家族に求められるのは、仕事を見つけることでも、無理に働かせることでもありません。本人が自分に合った働き方を見つけられるように、安心できる環境を一緒につくることです。
この記事では、障害のある方の就労に向けて家族ができる支援と、避けたい関わり方、相談できる支援機関について分かりやすく解説します。
障害者就労支援における家族の役割
家族は、本人にとって最も身近な存在です。
体調の変化や生活リズム、得意なこと、苦手なことをよく知っているため、就労支援において大切な協力者になります。
一方で、家族だけで就労問題を解決しようとすると、本人も家族も疲れてしまいます。
家族の役割は、本人を働かせることではありません。本人の気持ちを理解し、必要に応じて専門機関や福祉サービスにつなぐことです。
「家族だけで何とかしなければ」と考えず、支援者と役割を分けることが大切です。
家族ができる7つの障害者就労支援
1.まずは本人の話を否定せずに聞く
就労支援の第一歩は、本人の気持ちを聞くことです。
本人が「働きたくない」と話したとき、すぐに説得する必要はありません。
「どうして働きたくないの?」
「仕事の何が不安なの?」
「どんな環境なら少し安心できそう?」
このように、働けない理由や不安を一緒に整理してみましょう。
働きたくない背景には、以前の職場での失敗、人間関係のトラブル、体調への不安、自信の低下などが隠れていることがあります。
「怠けている」と決めつけず、まずは本人の言葉を受け止めることが大切です。
2.生活リズムを一緒に整える
働くためには、仕事の能力だけでなく、生活リズムも重要です。
朝起きる、着替える、食事を取る、決まった時間に外出するといった行動が、就労への準備になります。
ただし、最初から毎日同じ時間に起きることや、週5日の外出を求める必要はありません。
まずは週に1回外出する、午前中だけ起きて過ごすなど、本人が取り組める小さな目標から始めましょう。
できなかったことを責めるのではなく、できたことを一緒に確認することが継続につながります。
3.本人の得意なことを見つける
障害者就労支援では、苦手なことを改善するだけでなく、得意なことを活かす視点が大切です。
例えば、次のような特徴も仕事につながる可能性があります。
- パソコンを使うことが好き
- 同じ作業を繰り返すことが得意
- 手先が器用
- 洋服や雑貨に興味がある
- 一人で集中して取り組める
- 丁寧に確認する習慣がある
一般企業では評価されにくかった特徴が、環境や仕事内容を変えることで強みになることもあります。
家族から見た本人の長所を支援者へ伝えることも、大切なサポートです。
4.小さな挑戦を認める
働くことに不安がある方にとって、見学や相談へ行くだけでも大きな挑戦です。
事業所のパンフレットを見る、支援機関へ電話する、見学の日程を決める。こうした一つひとつの行動が就労への一歩です。
家族が結果だけを求めると、本人は「失敗できない」と感じて動けなくなることがあります。
「見学に行けたね」
「今日は話を聞けただけでも十分だね」
「合わない場所だと分かったことも収穫だね」
このように、行動したこと自体を認める言葉が本人の自信につながります。
5.家族だけで判断せず支援機関へ相談する
障害者就労支援には、さまざまな制度やサービスがあります。
主な相談先には、次のような場所があります。
- 市区町村の障害福祉窓口
- 相談支援事業所
- ハローワーク
- 障害者就業・生活支援センター
- 就労移行支援事業所
- 就労継続支援A型事業所
- 就労継続支援B型事業所
- 医療機関や訪問看護
本人の障害特性や体調、働いた経験、希望する働き方によって適した支援は異なります。
まだ本人が相談へ行けない場合は、家族だけで相談できることもあります。まずは地域の窓口や事業所へ問い合わせてみましょう。
6.本人に合った働き方を一緒に探す
働き方は、一般企業で週5日働くことだけではありません。
障害者雇用、短時間勤務、就労移行支援、就労継続支援A型・B型など、さまざまな選択肢があります。
特に就労継続支援B型は、一般企業で働くことが現時点では難しい方が、体調や障害特性に合わせて作業へ取り組める福祉サービスです。
事業所によっては、週1日や短時間から利用できる場合があります。
「毎日通えないから無理」と決めつけず、本人が続けられる頻度や作業内容を相談することが重要です。
7.家族自身の生活も大切にする
障害のある本人を支えることに一生懸命になり、自分の時間や気持ちを後回しにしてしまうご家族もいます。
しかし、家族が疲れ切ってしまうと、本人との関係にも影響します。
家族にも休息や相談相手が必要です。
支援者へ悩みを話す、家族会へ参加する、本人と適度な距離を取ることは、決して無責任な行動ではありません。
家族が自分の生活を大切にすることも、長く支援を続けるために必要です。
家族が避けたい3つの関わり方
他人と比較する
「同じ年齢の人は働いている」
「兄弟は自立している」
このような比較は、本人の自信を低下させる可能性があります。
比べるのであれば、他人ではなく本人の過去と比べましょう。以前より外出が増えた、人と話せた、作業を続けられたという変化に目を向けることが大切です。
本人の代わりにすべて決める
心配だからといって、家族が事業所や働き方をすべて決めてしまうと、本人の意思が置き去りになります。
いくつかの選択肢を示し、最後は本人の気持ちを確認しましょう。
自分で選んだという感覚が、通所や仕事を続ける力になります。
急いで結果を求める
働くまでに必要な時間は人によって異なります。
見学後すぐに利用できる方もいれば、何度か見学や体験をしてから決める方もいます。体調によって一度立ち止まることもあります。
遠回りに見える時間も、本人にとっては必要な準備期間かもしれません。
就労継続支援B型という選択肢
就労継続支援B型では、福祉的な支援を受けながら、自分のペースで作業に取り組めます。
事業所によって、軽作業、パソコン作業、清掃、ハンドメイド、農作業、古着の検品、EC物販など、仕事内容はさまざまです。
B型事業所を選ぶときは、工賃や仕事内容だけでなく、次の点も確認しましょう。
- 本人が安心して過ごせる雰囲気か
- 希望する作業があるか
- 通所日数や利用時間を相談できるか
- 体調不良時に配慮してもらえるか
- 職員へ相談しやすいか
- 将来の希望を一緒に考えてもらえるか
ホームページだけでは分からないことも多いため、本人と一緒に見学や体験利用をすることをおすすめします。
家族の支援は「信じて待つこと」から始まる
障害のある方への就労支援で大切なのは、本人を急かすことではありません。
今の状態を受け止め、本人に合うペースと環境を一緒に探すことです。
働けない時期があることや、週5日通えないことは、人生の失敗ではありません。週1日や短時間の通所から始めることも、立派な一歩です。
家族だけで悩まず、地域の支援機関や就労継続支援事業所へ相談してください。
千葉県野田市の就労継続支援B型事業所「毎日が夏休み。」では、パソコン作業、EC物販、内職、ミシン、古着の検品など、一人ひとりの得意なことや体調に合わせた作業を用意しています。
「まだ利用するか決めていない」「家族だけで話を聞きたい」という段階でも構いません。
野田市・流山市・柏市周辺で、ご家族の働き方や日中の居場所についてお悩みの方は、お気軽に見学・相談をご検討ください。
本人にとっての最初の一歩は、必ずしも働くことではありません。
安心できる場所を知ることから、未来が少しずつ動き始めます。

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