「自分には何もできない」「働くのはもう無理かもしれない」
そう感じていた人が、就労継続支援B型事業所で過ごすうちに、少しずつ自分への見方を変えていくことがあります。
自信は、誰かに「大丈夫」と言われただけで戻るものではありません。自分のペースで通い、作業に取り組み、「今日はここまでできた」と感じる。その小さな経験の積み重ねが、自分を信じる気持ちにつながっていきます。
今回は、B型事業所で自信を取り戻していく過程を、一つの事例としてご紹介します。個人が特定されないよう、内容を一般化して構成しています。
働くことに自信をなくしていた
その人は、以前の職場でうまくいかなかった経験から、働くことに強い不安を感じていました。
「また失敗するのではないか」
「人に迷惑をかけてしまうのではないか」
「自分にできる仕事なんてないのではないか」
そうした気持ちが重なり、外に出ることや人と関わることにも慎重になっていました。
家族や支援者から「少しずつでいいよ」と声をかけられても、本人の中には「できなかったらどうしよう」という不安があります。やる気がないのではなく、失敗したときのつらさを知っているからこそ、最初の一歩を踏み出しにくくなっていたのです。
見学と体験から始めた
すぐに毎日通所するのではなく、まずは事業所の見学から始めました。
どんな場所なのか、どのような作業があるのか、職員や利用者はどんな雰囲気なのか。実際に見てみることで、漠然としていた不安を少しずつ具体的に確認できました。
体験利用では、無理のない範囲で作業に参加しました。初めての場所で緊張するのは自然なことです。すぐに作業に慣れたり、周囲と話せたりする必要はありません。まずはその場に来て、過ごしてみること自体が大切な一歩です。
本人の体調や気持ちを確認しながら、通所日数や作業内容を相談できたことも、安心につながりました。
「できた」を積み重ねる
通所を始めたばかりの頃は、短い時間を過ごすだけでも疲れを感じることがありました。作業も、手順を確認しながら少しずつ進めていきます。
その日の体調に合わせて休憩を取る。難しいと感じたときは職員に相談する。作業の量を調整し、できるところまで取り組む。そうした経験を重ねる中で、本人の口から「今日は最後までできました」という言葉が聞かれるようになりました。
以前なら「これだけしかできなかった」と考えていたことも、「今日はここまでできた」と振り返れる日が増えていきます。
小さな作業でも、終わらせた経験は本人のものです。作業を完成させたこと、決めた時間に通所できたこと、わからないことを質問できたこと。どれも、次の一歩につながる大切な経験です。
自信は一度に戻らなくていい
自信を取り戻す過程は、まっすぐ進むとは限りません。
調子よく通える時期があれば、疲れて休みたくなる時期もあります。作業が順調な日もあれば、思うように進まない日もあります。休んだことで「やっぱり自分は続かない」と感じてしまうこともあるでしょう。
けれど、休むことや予定を調整することは、失敗ではありません。自分の体調に気づき、必要なときに相談することも、働き続けるために必要な力です。
B型事業所では、利用する人の体調や生活状況に合わせて、通所日数や時間、作業内容を相談しながら決めていきます。自分に合ったペースを探すことは、甘えではなく、安心して取り組むための準備です。
周囲との関わりが気持ちを支える
事業所で過ごす中で、職員やほかの利用者とのやりとりが生まれることもあります。
あいさつを交わす。作業について質問する。完成したものを見てもらう。そうした短いやりとりが、「ここにいてもいい」という安心感につながる場合があります。
人との関わり方は人それぞれです。たくさん話すことだけが、関係づくりではありません。静かに同じ場所で過ごすことや、必要なときに言葉を交わすことも、その人に合った関わり方です。
周囲と比べて無理をするのではなく、自分が安心できる距離感を見つけることも、自分らしく働くための大切な一歩です。
自信が戻ると、次の目標が見えてくる
通所や作業に慣れてくると、「もう少し長く作業してみたい」「別の作業にも挑戦したい」「今の通所ペースを続けたい」など、本人なりの希望が出てくることがあります。
目標は、必ずしも大きなものである必要はありません。
- 週に一度、通所する
- 作業の手順を一つ覚える
- わからないことを職員に聞く
- 疲れたときに休憩を申し出る
- 好きな作業を見つける
こうした目標を一つずつ考えることで、「自分にも選べることがある」という感覚が育ちます。自信は、誰かに評価されて初めて得られるものではありません。自分で決めたことに取り組み、その経験を振り返ることからも生まれていきます。
B型事業所は、自分のペースを探す場所
就労継続支援B型は、一般企業などで働くことに不安がある人や、体調に合わせて働く経験を積みたい人などが、支援を受けながら作業に取り組む福祉サービスです。
利用にあたっては、本人の希望や状況を確認し、自治体や相談支援専門員などと相談しながら手続きを進めます。利用条件や手続きは個々の状況によって異なるため、まずは市区町村の障害福祉窓口や相談支援事業所に確認しましょう。
事業所を選ぶときは、作業内容だけでなく、通いやすさ、職員の対応、休憩の取りやすさ、体調への配慮なども見学時に確認してみてください。見学や体験を通して、自分に合う環境かどうかを確かめることができます。
小さな一歩が、自分を信じる力になる
B型事業所で自信を取り戻すまでには、人それぞれの時間がかかります。すぐに変化が見えなくても、通所したこと、作業に触れたこと、職員に気持ちを伝えたことは、確かな一歩です。
「毎日通えないから、自分はだめだ」
「人より作業が遅いから、向いていない」
そう決めつける必要はありません。大切なのは、誰かと同じようにできることではなく、自分に合ったペースや方法を見つけることです。
小さな「できた」を一緒に見つけながら、次の一歩を考えていく。就労継続支援B型事業所は、働くことへの不安を抱える人が、自分らしい働き方を探していく場所の一つです。
「働く自信がない」「外に出ることから始めたい」と感じている方は、まず見学や相談から始めてみませんか。千葉県野田市・流山市・柏市周辺で就労継続支援B型事業所をお探しの方は、地域の相談窓口や事業所へお問い合わせください。

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