はじめに:「働きたいけれど、怖い」──その気持ちは自然なこと
「仕事をしたいけれど、自信がない」
「人間関係でつまずいたらどうしよう」
「体調に波があって、続けられるか不安」
そんな気持ちを抱えている方は、決してあなただけではありません。
多くの方が“働きたいけれど怖い”という思いを抱きながら、ゆっくりと一歩を踏み出しています。
就労継続支援B型(以下、B型)は、そうした不安を抱える人が安心して“働く練習”を始められる場所です。
この記事では、「働くのが不安」という気持ちと向き合いながら、B型事業所で“自分らしい働き方”を見つける方法をお伝えします。
第1章 「働くのが不安」という気持ちの正体
なぜ“働くこと”が怖くなるのか
誰もが最初は不安を感じます。特に過去に職場でつらい経験をした方、体調や障がいの影響で失敗を恐れている方にとって、「また同じことになったら…」という思いは自然な感情です。
不安の多くは、次のような理由から生まれます。
- 自分に合う仕事がわからない
- 周囲に迷惑をかけたくない
- 失敗を責められるのが怖い
- 続けられるか自信がない
しかし、こうした気持ちは「働きたい」と思う気持ちの裏返しでもあります。
不安を抱えているということは、真剣に自分の将来を考えている証拠なのです。
不安を“悪いこと”と考えないで
働くことに不安を感じるのは、心の防衛反応です。
「失敗したくない」「つらい思いをしたくない」──そう思うのは、あなたが誠実に生きようとしているからです。
大切なのは、不安を消そうとするのではなく、不安と一緒に歩いていくこと。
B型事業所は、まさにそのためのサポートの場です。
第2章 就労継続支援B型とは? “安心して働く練習”ができる場所
B型事業所の基本
B型事業所は、障がいのある方が自分のペースで働ける就労支援制度です。
一般企業のように雇用契約を結ばず、作業を通して“働くリズム”を整えます。
- 雇用契約なし(利用契約でOK)
- 自分の体調に合わせて通所日や時間を調整可能
- 作業に応じた工賃(報酬)がもらえる
- 支援員が日常生活から作業までサポート
「無理なく、でも確実に前に進む」ための仕組みが整っています。
A型との違い
B型と似た制度に「就労継続支援A型」がありますが、A型は雇用契約を結ぶため、出勤日や勤務時間の制約があります。
B型はもっと自由で、“今の自分のペースで働ける”のが特徴です。
| 項目 | A型 | B型 |
|---|---|---|
| 契約 | 雇用契約 | 利用契約 |
| 給与 | 最低賃金以上 | 工賃(報酬) |
| 勤務時間 | 週20〜30時間 | 1日2〜5時間 |
| 対象 | 就労可能な方 | 就労困難な方・回復期の方 |
つまりB型は、「もう一度働く準備をしたい」「社会と関わるきっかけが欲しい」という方にぴったりの場所なのです。
第3章 B型事業所での1日の流れ
ここでは、「毎日が夏休み。」を例に、B型事業所の1日の過ごし方を紹介します。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 9:00 | 送迎・出勤・朝礼 |
| 10:00〜12:00 | 午前の作業(軽作業・制作活動など) |
| 12:00〜13:00 | 昼食・休憩 |
| 13:00〜15:00 | 午後の作業 |
| 15:00〜 | 掃除・終礼・送迎 |
体調や気分に合わせて短時間通所もOK。
「今日は少し疲れているから午前だけにしよう」など、自分のペースを大切にできる環境です。
第4章 B型でできる仕事とそのやりがい
作業内容の一例
事業所によって異なりますが、主に次のような作業があります。
- シール貼り・袋詰めなどの軽作業
- アクセサリーや雑貨づくり
- 清掃・施設外作業(企業委託)
- パソコン作業(データ入力・デザイン)
“できた”を積み重ねる
作業は「完璧にやること」よりも「できることを続けること」が大切です。
スタッフがそばで支えてくれるので、失敗しても大丈夫。
その日の小さな達成が、明日の自信になります。
「昨日より5分長く集中できた」
「1つ作業を覚えた」
この積み重ねが、やがて“働く力”に変わっていきます。
第5章 B型事業所の3つの安心ポイント
① 無理をしなくていい
「休みたい」と言える環境があります。
体調に合わせて休憩したり、早退したりも可能です。
支援員は“続けること”よりも“自分を大切にすること”を優先してくれます。
② 人間関係のストレスが少ない
B型では、支援員が間に入りながら利用者同士の関係をサポートします。
困ったことがあればすぐに相談でき、安心して過ごせる人間関係が築かれます。
③ 小さな成功を褒めてもらえる
頑張ったことをきちんと認めてもらえる場所です。
「今日も通えたね」「よく頑張ったね」という言葉が、次の一歩の力になります。
第6章 「自分らしい働き方」を見つけるステップ
ステップ1:自分を知る
得意・不得意、好き・苦手を整理することから始めましょう。
B型では、スタッフと一緒に“自分らしい働き方”を探す時間が設けられています。
ステップ2:小さく始める
「週2回・午前だけ」でも立派なスタートです。
続けるうちに、「もう少し働いてみようかな」という気持ちが自然に芽生えます。
ステップ3:周りの力を借りる
B型では、一人で頑張る必要はありません。
支援員、仲間、家族──誰かのサポートを受けながら進んでいいのです。
「助けを求めること」も立派な行動力です。
第7章 実際に通ってみた人の声(事例紹介)
「以前は人と話すのも怖かったけど、今は少しずつ笑えるようになった」
「午前だけの通所から始めて、今は毎日通えるようになった」
「工賃で買い物をしたとき、“自分の力で稼いだ”と感じられた」
B型事業所で過ごす時間は、働くための準備期間であり、人生を整えるリハビリ期間でもあります。
第8章 「毎日が夏休み。」が大切にする3つの支援方針
「毎日が夏休み。」は、就労継続支援B型事業所として、次の理念をもとに支援を行っています。
- 理念: 人のために生きる
- 使命: 自分らしく、誠実な人の創造
- 価値観: 利他・自責・勇気・挑戦
私たちが目指す支援
- 安心して通える居場所をつくる
- “できない”ではなく“どうすればできるか”を一緒に考える
- 小さな成功を積み重ねることで、自己肯定感を高める
環境の特徴
- 送迎あり・昼食無料
- 通所時間10:00〜15:00(平日のみ)
- 平均工賃3万円を目指す活動
- 明るく前向きな“ラッキーマインド”文化
ここでは、“働くこと=苦しいこと”ではなく、“働くこと=自分を生かすこと”として考えています。
第9章 利用までの流れ
- 見学・体験
雰囲気や作業内容を実際に見てみましょう。 - 相談・面談
あなたの希望や体調に合わせて、最適な通所ペースを相談します。 - 受給者証の申請
市区町村で障害福祉サービスの申請を行います(スタッフがサポートします)。 - 契約・利用開始
不安を抱えたままで大丈夫。初日は見学でもOKです。
第10章 まとめ:「ゆっくり進むことが、一番の近道」
働くことに不安を感じるのは、誰にでもある自然なことです。
でも、「一歩踏み出してみよう」と思えたその瞬間が、すでに成長の証です。
就労継続支援B型は、あなたの不安を受け止めながら、
“自分らしい働き方”を一緒に見つける場所です。
焦らず、比べず、諦めず。
今日の一歩が、明日の希望になります。
「毎日が夏休み。」は、あなたが安心して前に進める居場所です。
笑顔で「おかえり」と言える仲間が、ここにいます。

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